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金子典生

人材開発の仕事

更新日:2021年8月28日

人材開発の仕事を長くしていると、時々???と思う人に出会うことがある。

研修プログラムの内容にやたら詳しく、流行っている取組みについてもよく知っている。

アメリカのシリコンバレーで流行っているとか、P&Gでどうだとか・・・。


そういう人を見ていると、詳しいはずの人材開発の知見や施策を「全く実践できていない」ということがよくある。

理論や理屈はよくご存じで、発言の中に盛り込んだりして周りを唸らせることもある。

だが「ただ知っているだけ」「言うだけ」で全く行動していない、実践していない人々。

人材開発や教育研修に関する知識を保有していることに満足して、研修を行うことを目的化している人々。

私は、そういう人々を「研修オタク」と呼んでいる。


人材開発の仕事は、研修を行うことではなく、人を育てる、育つ機会を設けることである。


その意味において、人を育てる、人材を開発する立場の人間において、最も大切なことは、「率先垂範」「有言実行」「言行一致」が大前提となる。


なぜなら、それが出来ていない人間の言うことを、誰が聞くだろうか。


それが出来ていない人間が企画したプログラムに、誰が真剣に向き合うだろうか。


ありきたりと言われるかも知れないが、「参加者や社員との信頼関係」が何よりも大切なのである。

それは、部下を育成し、導く立場にある管理監督職やリーダーにも言えることである。


実は、人材開発に携わる人間が一番勉強せねばならないし、学んだことを誰よりも実践し、一番成長せねばならない。

人材開発を通して一番成長するのも、実は企画側の人材開発担当者である。


「教えることとは、学ぶこと。」


それは、決して楽な道のりではない。


だが、人を導く、育てる、教える立場として、当然だろう。


そのような覚悟が、人材開発の仕事には求められる。


これが人材開発の仕事の基本であり、本質である。


研修プログラムや企画の良し悪し、以前の大前提であると考える。











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