先日、大阪のとある金属加工メーカーにて「技能伝承の取組み」を実施させて頂いた。
ベテラン技能者や技術者に対する取組みである。
技能伝承の歴史を紐解くと、かつて「2007年問題」として「技能伝承の取組みの重要性」が叫ばれた時代があった。
それは団塊の世代の大量退職に伴う、製造現場での技能の喪失が問題視されたからである。
だだ、現実的には定年延長や再雇用などの労働政策の開始や2011年のリーマンショックによる業績の落ち込み、更にはファブレス化や外注化などの加速よって、先延ばしや有耶無耶になって現在に至っている企業が多いような印象を抱く。
実は私自身、企業在籍時の2012年に「技能伝承」の取組みを行った経験がある。
また「技能伝承」だけではなく、その後も「クレーム防止マニュアル」「営業担当者の育成マニュアル」などの取組みも手掛けたこともある。
「技能伝承の取組み」には「マニュアル化」との共通点もあり、相違点も存在する。
今回は「技能伝承の取組みのポイント」について述べていきたいと思う。
技能伝承の取組みの流れは、大きく以下の通りになる。
①技能の定義を明確化
②伝承すべき技能の明確化
③伝承ツールの作成
④継承者の選出と伝承計画の作成
⑤伝承実施と進捗管理
では、これら5つのうち、どの項目が技能伝承の取組みの成否に最も影響を与えるのか?
どの項目をおろそかにすると、失敗してしまうのか?
答えは①と②である。
技能伝承の取組みが失敗する大きな原因は、最初のボタンの掛け違い、または曖昧なままで伝承活動(教育など)を開始することである。
①については、ある意味「決めごと」で、企業内での見解を統一して取組みを進めることが重要になってくる。
そして、最も時間をかけてしっかりと取り組まなければならないのが、②「伝承すべき技能の明確化」のフェイズになる。
なぜなら、もっとも躓きやすく、見逃してしまいがち、曖昧なままで後から混乱してしまうことになるのが、②「伝承すべき技能の明確化」だからである。
②のフェイズでは、具体的には「業務の棚卸し」「業務の評価」「伝承技能の絞り込み」の
ステップを踏む。
弊社では、上記の「伝承すべき技能の明確化」に多くの時間をかけ、細かく、手厚く支援をさせて頂いている。
もちろん、人材開発、人材育成の専門家として、③伝承ツール(教育ツール)の作成支援については言うまでもない。
本件の詳しい内容を知りたい場合には、是非お問い合わせください。
Comments