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大切なこと

  • 金子典生
  • 2020年11月14日
  • 読了時間: 3分

最近、エンゲージメントという言葉を人事や人材開発担当の方々からよくお聞きします。

昨年あたりは、one on oneがよく聞かれました。

one on oneは上長と部下のコミュニケーション機会や部下育成ツールとして有効ですし、エンゲージメント向上の取組みは、離職率低下や生産性向上を図る施策として効果的です。

ただ、大切なことは、それらの取組みが自社に合っているのか、今、このタイミングで自社に本当に必要なのかをよく考えることではないでしょうか?

本来、人事や人材開発担当者は『自社の経営や人的資源の状況を分析して、どこに課題があり、どうすれば強い経営体質にすることができ、業績向上を図ることができるのかをヒトの面から考えること』がミッションであり、原点だと考えます。

事業は人なりと、松下幸之助氏も言っています。

人事や人材開発担当者は、本来、「事業、経営のパートナー」であるはずです。


そうであれば、自社独自の経営課題や人的資源課題の分析とその対策こそが、メインテーマになると思われます。


その対策を検討した結果、one on oneやエンゲージメントが、自社には有効であると判断し、導入するのは全く問題はありません。

人事や人材開発担当者は、勉強熱心な方が多いですし、情報収集も積極的にされています。

しかし、今話題になっている取組みは、本当に自社に有効なのでしょうか?

自社の課題、目指すべき方向に合致しているのでしょうか?

当社が提供しているキャリアデザイン研修やキャリアカウンセリングも、過去に「流行った」と言われる類のプログラムになります。

当時そして現在も、これらの意味や必要性、有効性を理解されている方は、極めて少ないと言わざるを得ません。


しかし流行ったと言われていた当時から、これらに携わってきた者として、本来、キャリアデザイン研修やキャリアカウンセリングは、環境変化や転機となるタイミングで実施するのが最も有効なツールと言えるのです。

働き方改革が叫ばれていた矢先に、新型コロナの影響で労働環境が大きく変化しました。


変化の荒波に飲まれぬよう、流されぬように自らの価値観や強みを振り返り、将来の目標を持つこと、つまり「自分の軸」を持つことがキャリアデザイン研修の目的でもあります。


また同じように、人事異動などによって業務内容や役割が変化するタイミングにも、これらのプログラムは有効になります。


one on oneにせよ、エンゲージメント向上にせよ、勿論、キャリアデザイン研修にせよ、これらは方法論であり手段に過ぎません。


大切なのは、何のためにそれらを導入するのか(=目的)どのような効果やゴールを目指すのか(=学習目標)をしっかりと考えることです。


自社の状況を分析したうえで、目的、学習目標を考えてプログラム(=手段)を検討するのが人材開発企画、人事企画のプロセスとなります。

プログラム(=手段)の本質、特徴、メリットを理解することは、言うまでもありません。


耳障りの良い言葉や流行り廃れに流されるのではなく、自社にとっての課題や対策の有効性を検討したうえで、最適なプログラムを導入されることをお勧めします。


決して、目新しいプログラムを導入すること、つまり手段が目的化されないように・・・。


今一度、原点にに立ち返り、大切なことを考えてみてはいかがでしょうか?

 
 
 

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