企画力の向上
- 金子典生
- 2022年5月31日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年6月24日
企画力、自分自身も企画に関する仕事は、計15年ほど携わってきた。
正直、このスキルほど、実践による試行錯誤が重要なものはないと思っている。
企画力向上の研修では、一通りの必要なプロセスや知識をお伝えしている。
そして、実際の実務内容に関連するテーマで、企画立案を実践してもらう。
単に研修の場だけのお勉強ではなく、企画した内容を「実務に移すことができるレベル」を目指して進めていく。
従って、実際にやることも多く、受講者への負担はかなり大きい。
作成した企画内容に対して、講師から一人ひとりに具体的なフィードバックやアドバイス等を行いながら、ブラッシュアップを図っていく。
当然、実践活動がメインなため、3ヶ月(3回)程度の期間が必要になってくる。
では、なぜここまで必要なのかについて、説明をさせていただく。
まず企画とは、「企て」「企み」である。
「企て」や「企み」であるならば、「実践して」「実現して何ぼ」の世界だと考える。
机上の空論で、アイデアや書面だけを作成すれば良いという世界とは全く違うものである。
そして「企て」「企み」を実現するには、「人を動かす」ことが不可欠になる。
つまり協力者や関係者を「巻き込む」「動いてもらう」ことが出来なければ、企画は実現することができない。
そして、人を巻き込む、動いてもらうのに必要なのが「ロジック」と「思い=感情」だ。
この企てを実現することで得られる「未来に向けたストーリー」をロジックと感情に訴えていくことが、人を巻き込む、動いてもらうためには不可欠になる。
未来に向けたストーリーを描くには、「あるべき姿、ありたい姿」「現状の課題を分析」「実現に向けた方策」の3つが必要になってくる。
課題とは、様々な問題点の裏にある、後ろにある「共通したテーマ」と定義している。
従って、単なる問題解決(対処療法)と、本質的なテーマに取り組む企画(課題解決)とは全く異なることになる。
また上司や経営層から「なぜ、この方策が必要なのか?」「なぜ、そうと言えるのか?」と質問された際に「その理由」や「経緯」「分析結果」等を端的に述べることができなければならない。
そのためには「会社の現状」「現場の状況」「自社を取り巻く環境」などの理解や把握が、大前提になってくる。
これらを行うためには、まずは「仮説」で良いので全体的な構造や関係性を考えたうえで、実際の「現場確認」「インタビュー」「データ等の調査」を行い、作成した「仮説の検証」していくことになってくる。
他社や所属する業界動向、もっと言えば「行政」「経済」等の動きも理解せねばならない。
更に言うと「普段からの情報収集」こそが、非常に重要になってくる。
ざっと文章に書くだけでも、これだけの作業が必要になり、この内容をワークシートに記入しながら、ブラッシュアップを図っていく流れになる。
そして、最終的には「企画書」という書面に落とし込んでいく。
企画とは、対処療法的な問題解決でなく、単に実行する内容を順番に並べた計画とも異なることを理解いただけたと思う。
もっと言うと、企画は「正解のない世界」である。
それが故に、長々と述べた上記のプロセスや内容が不可欠になってくる。
AIだマニュアル化だなどと言っても、人間にしかできない業務が企画だと考える。
本来、ビジネスパーソンの誰もがある程度は習得して欲しいスキルであると共に、部長などになった際に「戦略の策定」「方向性や経営全体を見極める」などの場面で、前提となるのが企画力だと考える。
企画は実践して、実現して何ぼの世界。
そして、数を経験して実践による試行錯誤が必要なスキル。
幹部を目指す社員は、早い段階から企画力の習得に取り組むことをお勧めする。
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