企業理念や経営理念を定めている企業は、非常に多い。
内容を見ていると、企業理念は「企業の在り方」「従業員の行動基準や規範など」について述べられているものが多く、経営方針やビジネスのビジョンに近いものが経営理念として、述べられていることが多いように思われる。
また、特に企業理念については、WAYウェイやCredoクレド等として、従業員の行動基準やマネジメント、モチベーションといった面で活用している企業が多いのは、ご存じの通りである。
有名なところであれば、ジョンソンエンドジョンソン、日本国内だと花王などだろう。
実際、私も企業在籍時に企業理念の浸透に取り組んだ経験があり、企業理念を浸透させる上でのポイントについて、いくつかお話したいと思う。
まず企業理念とは、その企業が保有する「信念、信条、価値観」であり、場合によっては、「企業のありたい姿を含めて」掲げられていることが多い。
これら企業理念の策定には、経営者が決める場合や従業員に参加させてプロジェクトとして決める場合などもある。
いずれの方法で決めたにせよ、一般の従業員にとって、企業理念とは「誰かが決めたもの」であるには変わらない。
企業理念を神棚の上に掲げて、朝礼などで唱和して終わりであれば、何もする必要はない。
また対外的に宣伝したい、イメージ向上だけなら、何もする必要はない。
ただ企業理念とは、本来、経営者を含めて従業員全員が日々の行動の中で、日々の業務の中で使ってこそ、意味があるものなのだ。
そのために策定するのが、企業理念(WAYウェイやCredoクレド等)というものである。
具体的には「業務をする中で迷った場合の判断基準」や「仕事の進め方」「顧客への対応」や「職場の仲間への接し方」等として「使う」「行動」するために企業理念は存在する。
また、これらを通して「権限移譲」や「マネジメントを適切かつ効率的」に行うために企業理念は存在しているのである。
更に、企業理念の実践状況を「評価する」などして、従業員のモチベーションに繋げている企業も多い。
これらを通して、企業理念とは最終的に「企業風土の醸成」に繋がっていくものである。
では「誰かが決めたもの」を「使う」「行動する」には、どうしたら良いのだろうか?
これが企業理念を浸透するうえでの重要テーマになってくる。
当然、まずは企業理念として書かれている内容を「理解」せねばならない。
企業理念の内容は、抽象度が高いうえに、ある意味、当たり前の事を述べていることが多いため、表面上ではなく、具体的に何を指しているのか、どういう行動することを述べているのかを理解しないといけない。
その上で、次に企業理念に「共感」せねばならない。
企業理念は信条や理念、価値観であると述べた通り、そうであれば、その内容に共感、納得せねば、行動に移せないし、表面的な行動だけで終わってしまうからである。
「共感」の具体的な方法については、是非ホームページよりお問い合わせ頂きたい。
そして共感ができたら、3番目に企業理念に従って「行動」してみる。
行動することで上手くいった点やどうも上手くいかない点などが発生するだろう。
そこで、もう一度企業理念の内容を確認しながら、自分自身で考えて「理解を深める」。
そして、再び「共感」「行動」へと繋げていく。
このように「誰かが決めた」企業理念を自分のものとして「使う」「行動する」ためには、「理解」「共感」「行動」「理解」のサイクルを回しながら、行動のレベルアップと浸透を図っていくのだ。
これら企業理念を「使う」「行動する」には、特に最初の「理解」「共感」というプロセスが非常に重要になってくる。
現在、この「理解」「共感」というプロセスを中心に、ファシリテーターとしてお手伝いをさせて頂いている。
強い企業とは、企業の理念・ビジョンと従業員の価値観、ありたい姿が重なり、自律的に、従業員が行動している組織であると、以前もお話させて頂いた。
企業人事の皆さんは、一度、自社の企業理念の現状を検証されてはいかがだろうか?
人事部門は経営のパートナーであり、戦略部門であるのだから。
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